※過去の「栄光なき名機たち」記事はコチラから!
チワッスあしのです!
パチスロ界に燦然と輝く名機たちの傍らでひっそりと咲く佳作を紹介するこちらのコラム、今回は2006年に平和がリリースした「アクアビーナス」について。
5号機黎明期、バカみたいな数が一斉にリリースされたノーマル機たちのなかでも出色の出来のひとつに数えられるやつです。
平和/5号機/2006年
「リプ連前兆」を意識した作り
4号機から5号機になった時、多くのスロッターはほぼ間違いなく「パチスロオワタ!」と思ったハズなんですけど、じゃあ何でそう思ったかというと、まずストック禁止という大きすぎる痛手があって、次にボーナスの仕組みが純増方式になってしまい、大量獲得機の開発が事実上不可能になってしまったことが挙げられると思います。
この2つにより確かにゲーム性の自由度は著しく減退しましたし、最初期は出る台が全部演出だけ違う同じような機械に見えてキツかったっちゃキツかったんですが、それらも実際にやってみると「慣れ」に依存する部分が大きく、「ストック無し&純増方式のボーナス」に慣れちゃうと、今度は5号機で新しく認められた部分…言い換えるなら「4号機より優れてる部分」というのに注目が集まり始めたわけですね。
もちろんRT関連もそうなんですが、「ボーナスと小役の同時抽選」もそうです。
これは最初はなかなかピンとこず、言葉は悪いですが「要らねぇよ」と思った人も多かったんじゃないでしょうか。
5号機の具体的な仕様みたいなのが発表された当時はまだ世のスロッターのマインドが4号機にあったんで、そもそもボーナスは機械の内部でひっそりと成立してストックされてて当たり前のものであり、むしろそれをどうやって揃えるかのほうが大事だった。
だから同時抽選とか言われても「そんなんいいからストック機を認めてくれよ」としか思わなかったですし、なんなら4号機では当たり前だった「小役でのRT解除抽選」をストック機能無しでフワッと再現するためのごまかしにしか見えず、この部分に期待してた人はそんなにいなかったんじゃないかなと思うんですね。
というかオレなんかはモロにそれだったんですけども、そのマインドが変わったのがまさしくこの、「アクアビーナス」でした。
この作品は「リプレイとボーナスの重複」というのがメインのゲーム性になってるんですけども、素晴らしかったのがボーナス成立後にリプレイ確率ハネ上げるという仕様。
つまりリプレイが連続すると重複期待度が高まるという往年の「リプ連前兆」を意識した作りになっており、さらにこれがボーナス成立後の最初のハズレフラグ成立時(つまりボーナスを揃えられる制御がきた時)に告知が入る「完全告知機」だったことから、リプ後には告知が入るのを祈りながらレバオンし、リプが連するとそのレバオンにどんどん力が入っていくという、理想的な「叩きどころ」を高頻度で出現させることに成功してたんですね。
これがマジで超絶面白かった。普段はハナハナもジャグラーも打たない俺が、人生で初めて心の底から面白いと感じた告知機はこいつが初めてでした。
ただのノーマル機でしかも告知機、液晶はもちろんのこと消灯演出すらない超シンプルな機種なのに、ただ同時抽選があるだけでここまで面白くなるのかよ! と当時は度肝を抜かれたのを覚えてます。
最初はあんまり注目してなかった「同時抽選」ですが、ご存知のように後の5号機のゲーム性はこれナシでは存在しえず。
数々の名機でうまいことこれが利用されてます。
んで、三つ子の魂百までといいますが、オレはアクアビーナスのおかげで未だに「リプ重複」というのが好きでして、別に重複役に貴賤はないんですけどスイカやら強チェリーと重複するより、リプ重複だとなんかちょっと偉いのを引いたような気がしてニヤニヤしちゃいます。