【第65回】平均という名の罠①
※『パチンコ正攻法』過去の連載まとめはコチラから。
たとえば学校の試験などで、学年100人の平均点が50点だったとする。
このとき、あなたの点数が50点だったとすると、100人中、大体50番前後の順位になる思う人が多いのではないか。
しかし、平均点=順位も真ん中あたり、とは限らない。
わかりやすくするためA、B、C、D、Eの5人だけでテストを受けたと仮定しよう。
A:80点
B:60点
C:60点
D:50点
E:0点
5人がそれぞれこのような点数だったとすると5人合計で250点なので、平均50点となる。
50点だったあなたは5人中4番目の成績だったということだ。
では、こんな場合はどうだろうか?
A:100点
B:50点
C:40点
D:30点
E:30点
これも5人合計250点なので平均50点となるが、50点だったあなたの順位は5人中2番目となる。
こんなことは受験人数が少ないために起こる偏りでは?…と思う方もいるかもしれない。しかし、数千人、数万人が受験する全国模試などでも同じような現象が起こっているので、これは偏りなどではなく、受験する人が最初から持っている傾向なのだ。
たとえ話が長くなったが、これと似たようなことがパチンコの世界でも頻繁に起こっている。当てはまる現象はいくつもあるのだが、今回は投資金額について見ていきたいと思う。
■花の慶次~烈~一刀両断 千円20回転 11.5時間実戦
上記の機種・条件でシミュレートしたところ、平均投資額は42100円となった。これはあくまでも平均であり、当然、これより多い日も少ない日もある。
では、平均値の42100円前後に収まる日は実際どれくらいあるのでろうか?
【1日の投資金額の分布】
10000円以下 14.0%
10001~20000円 14.4%
20001~30000円 13.3%
30001~40000円 11.8%
40001~50000円 10.9%
50001~60000円 9.3%
60001~70000円 7.7%
70001~80000円 6.6%
80001~90000円 4.3%
90001~10000円 3.8%
100001円以上 3.9%
こうしてみると全体的に投資額が多くなるほどその割合は減っていく傾向がありそうだ。
この中から、平均値の42100円に近いものを2つ選ぶならば「30001~40000円」と「40001~50000円」になる。
この2つの出現割合を合わせると22.7%になる。約4.4回に一度の割合だ。
つまり1日の投資金額が「平均値前後」に落ち着いている日は4.4日に一度程度しかないわけだ。残る77%程度は「平均値前後」には落ち着いていない。
また、投資額40000円以下をすべてあわせた出現割合(「10000円以下」から「30001~40000円」までを合計した出現率)は53.4%となっており、つまり平均投資額の42100円よりも安く済む日が過半数を占めている。
よって、平均投資額が42100円だからといって、それ以内に収まる可能性が50%、超える可能性が50%…と単純にはいかないのだ。
なお、これは等価ボーダーを2.8回転超える千円20回転の台の場合であり、回転率によってこの傾向は異なることを付け加えておこう。
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