
※秋山良人の過去連載まとめはコチラから。
楽して儲かるまでは楽じゃない
大昔の話ですが…適当に喋ったり、美味しいモノを食べたり、海外で遊んでいるだけで大金が貰える芸人は楽して儲かっていいよな~と思われている時代があったそうです。
そんな時代から幾星霜…偉大なる先人たちのおかげで価値観が変わり、尋常ならざるトークスキルや発想力にリアクション能力など、一般人では真似できない様々な稀有な才能により、今では選ばれし者にしかなれない職業として輝きを放つようになりました。もちろん、秋山もハイエナの皮を被った芸人で、人生の全てを捧げていた時期もありましたが、秋山ごときの乏しい才能と必死の努力では、とんでもない才能の原石たちが、その才能に溺れることなく、尋常ならざる努力を重ねて輝いていくスピードに絶望し…秋山の小さな牙は折れました。
前フリが長くなってごめんなサイバーブルー。今回は、ちょっと前にパチンコ・パチスロ業界でもパチ系演者やパチ系YouTuberになったら楽して儲かると思っていたけれど、現実はそうじゃなかった的な投稿がSNSで話題になっていたので、それについて個人的な想いを綴りたいと思います。
そもそも、最初は雑誌のライターさんだけだった業界に、地上波やCSのパチンコ番組が始まり、雑誌にDVDが付いたことで、パチンコ・パチスロ業界の動画の歴史が動き出しました。それから幾星霜の時が過ぎ、個人でも自由に動画を投稿できるプラットフォームが生まれ、パチ系の動画が爆発的に増え、今に至るわけですが…。プラットフォームが動き出した初期の頃は、ブルーオーシャンでライバルが少なかったはずなので、ユーザーを独占できたと思います。このタイミングでYouTuberを初めていればとんでもない才能のライバルが現れるまでは楽して稼げたかもしれませんが、今からとなると…言わずもがなですよね。
そして、楽に見えてしまう理由は出演者さんの質の違いが大きいと思います。初期は雑誌で下積みを重ねた実力のあるライターさんがメインだったので、基本的な知識と解説はもちろん、普段からパチンコ・パチスロを打っている有識者が出演者でした。それが、個人で動画を上げられるようになってからは、当たり前ですが下積みなどなくても投稿できるようになったわけで…。
極論ですけど、誰が見ても怪物だと分かる大谷翔平さんを見て、俺も二刀流でプロ野球選手になれるかもって思う方は皆無だと思いますが、自分も普段から打っているパチスロの動画であれば、打ちながら適当に喋っていれば儲かるだろと思ってしまう気持ちは理解できます。ただ…楽して今の地位を築き、儲かっている方はいない思います。もちろん、今の地位になって楽して儲かっている方はいるかもしれませんが、今の地位を維持するのも楽じゃないと思うので…「楽して儲かる」という言葉自体が大きな矛盾のような気もします。
始めるだけなら誰でもできる
いかがだったでしょうか。そもそも、実力がなければその職業に就くことさえできないスポーツ選手などと違い、YouTuberに関しては誰でも…何なら今すぐにでもなることができます。
それはパチンコに限らず、料理だろうが、ダンスだろうが、ゲーム実況だろうが、始めることは簡単です。ただ「始めること=稼げる」わけではないので、楽して稼げる感覚で入ってくるとしんどいかもしれません。
極論で言ってしまえば、圧倒的な実力…別格のトークスキルや端正な顔立ちなど、他者を寄せ付けない武器があるならすぐに頭角を現すと思います。そうじゃない場合…そして、自分に才能がない場合…最大限の努力をしても才能がなければ辿り着けない世界が見えた時…秋山のように絶望するかもしれませんが、頂の頂上に辿り着けなくても…秋山のように五合目ぐらいで生きることもできますし、パチンコ・パチスロが好きな気持ちがあるなら、ライター業や制作スタッフなどの裏方のお仕事もあるので、憧れた形とは違うかもしれませんが、好きな業界で生きることはできると思います。
もちろん、どの形で生きるにしても楽して儲かることはないと思います。前回のコラムで書いたようにルールから逸脱すれば楽に稼げる可能性はあるかもしれないですけどね~…。
最後になりますが、秋山の個人的な偏見で綴らせていただくと…そもそも論なんですけど、YouTuberという職業のメインの収入は再生数からのお金だと思います。来店や収録などの案件は数字が増えて認められた結果いただけるモノで、そこに辿り着くまでの頑張りが下積みだと思います。もちろん、下積みを頑張っても売れるかどうかは分かりませんが、下積みが長い方が売れた時に厚みが出るので息が長いと芸歴22年目の売れない芸人は勝手に思っています。
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