
【第148回】電卓で換金ギャップを計算

「期待差玉」―その台を打ったときに玉をどれくらい得するか(損するか)を計算した数値である。
ホールの開店時間から閉店近くまで(10~12時間程度)打ち続けたときの「1日の期待差玉」を指す場合が多い。差玉期待値、平均差玉などとも呼ばれるが、実用上の意味は同じである。
さて、期待差玉というのはあくまでもその台の「玉収支」を指すわけであり、実際の日当計算には貸玉料金や換金率が大きく影響してくる。期待差玉がマイナスならば期待日当もマイナスになることは間違いない。しかし場合によっては、期待差玉がプラスなのに期待日当がマイナスになることもあり得る。
たとえばある台の1日の期待差玉が+2000玉だとする。4円貸玉・4円交換ならば単純に日当は
2000×4 = 8000円
日当8000円という計算になる。
では4円貸玉・3円交換の場合はどうか? 2000×3=6000円? 日当+6000円…ではないのだ!
単に2000玉をタダでもらったのならば、2000×3=6000で問題ない。しかし実際にはこの2000個を得るために元手がかかっている。かりに投資額は1日平均32000円かかるとしよう。4円貸玉なら8000玉に相当する。この場合、元手8000玉を投資して10000玉を獲得。差し引き2000玉の利益を得たものと考えればいい。
そうすると、ホールで実際に出玉を交換するのは10000玉となる。換金レート3円ならば30000円となる。要するにこの日は、投資32000円、回収30000円となり、差し引き2000円の赤字となってしまうのだ。

では、換金率が4円から3円になることで損失はいくらになったのか? この事例から換金ギャップを計算してみよう。
スマホの電卓で誰でも計算できる。
まず換金ギャップのない場合の等価日当は、
= 貸玉料金 × 1日の期待差玉
と計算する。上の例では4×2000=8000(円)。
そして換金ギャップは、
(投資玉+差玉)×(玉貸料―換金レート)
と計算すればいい。
上の例では
(8000+2000)×(4-3) = 10000(円)
よって期待日当は
等価日当 - 換金ギャップ
と計算すればOK。
つまり、上の例では
8000-10000 = -2000(円)
となるわけだ。