【パチスロ】こうなったら、もうオシマイです…

チワッスあしのです！

ホールで出会った奇抜な隣人を紹介するこちらのコラム。今回は久々に筆者の思い出話。

パチンコはホントに楽しいものですが、隣に座った客によっては苦々しい感じになることもあります。

オレは以前、お葬式で親族のお骨を拾ったあと、なんかもうすべてを忘れたくて喪服でホールに行き、何も考えずに適当な台に座ったら、お隣さんがさっきまで一緒に骨拾ってた親戚だったことがあります。

「おうッ」て声出ました。

人生においてこれを超える気まずい実戦というのは多分ないんですが、ある意味ではそれに近いというか、ちょっと似たような事件が会社員時代にあります。

ある時、パチスロのために仮病を使って会社を休んだんですね。

まあこれはパチスロ打ちならちょいちょいある話だと思うんですけど（そうか？）、その時はもう時代的に「特定日」の概念があってですね。7月7日だったんで某チェーンにどうしても行きたかったんです。

ただね、オレがパチスロ好きだというのは職場では広く知られてましたし、その人間が7月7日に「風邪引いた」つっても、絶対嘘なんですよ。100パー信じてもらえない。

ちなみにオレは仮病で休むときは向こうから「会社来んなよ」って言ってもらえるよう「体中にブツブツが出来た」って言うようにしてるのですが、これも絶対だめ。7月7日にピンポイントでブツブツは無理。嘘つけって言われる。

だったらどうするかというと、もうこれは前日の7月6日から休むんですね。いわゆるひとつのカムフラージュです。

これだったら電話を受けた上司が（あ、こいつ7月7日にスムーズに休むために今日から仮病つかってんな）ってピンと来ても、もはや何も言えないんですよ。だって貴重な有給を2日も使う覚悟を見せてるわけで、そこまで行きたいならもう行ってこいってなるんです。

なのでオレはその年も7月6日に仮病を使って無事に休んで。で、何をするかと言ったら結局パチスロですよ。秋葉原のホールで朝から「化物語」打ってたんですけど、夜までガッツリ打ってさあそろそろ帰るかなくらいのときにふと隣をみると、いつの間にか会社帰りらしい同僚が座ってたんですね。

向こうもオレに気づいた瞬間「おう」ってなるんですけど、よく考えたら体中にブツブツが出来てるハズのオレがニコニコしながらパチスロを打ってるんで「あ、そういうこと」ってなるわけです。明日7月7日だなって。当日だとバレバレだから前日から刻んできとんなコイツって。分かるわけですよやっぱ大人なんでね。

で、色々考えた末、口を開いた相手から出た言葉が「元気？」なんですよ。

こんな間の抜けた挨拶なんかないんですよ。毎日一緒に仕事してるんだから。

でもオレも「うーん、あんま元気じゃない」って答えるんです。

ホントはめっちゃ元気なんです。相手もそんなことはわかってるんですけど、一応こういう場合は、形的にはこんなやり取りになっちゃうんですね。

幸いにして、相手はそういうのをあんまり言いふらす奴でもなかったですし、また、仮に言いふらされたとしても「人に感染（うつ）さないタイプのブツブツだから安静にパチスロを打っていた」ということで切り抜ける自信もあったので、オレは翌日も普通に堂々と休んで某チェーン店に行き、そしてワクワクしながら「北斗の拳　転生」を終日打って、6万くらい負けました。

多分、似たような話は毎年7月7日に日本中で起きてると思いますし、スロッターにとってはだいぶ日常の、何の変哲もない話です。